スマート農業、コメやトウモロコシなどの生産実証をタイ政府と合意

ロボティクスやICT(情報通信技術)を活用して、農作業の省力化・精密化や、高品質生産を実現する。「スマート農業」について、農林水産省は、高齢化が急速に進み労働力不足が深刻となっている現場での活用に期待を寄せている。

「スマート農業」ページを設けている同省は、この新たな農業によって、農作業における省力・軽労化が一層進められ、新規就農者の確保や栽培技術力の継承等、課題が解決されていくだろうという。農作業に関する様々な課題は国境を越えて共通している。たとえば八十八の手間がかかる稲作は日本特有のものではなく、世界最多生産・消費量を誇るのはインディカ米であり、アジアの数ヶ国は日本よりもそれが盛んだ。

そしてそれらの国々もスマート農業を推進している。国家プロジェクト、長期経済開発計画「タイランド4.0」を掲げるタイの農業省(MOAC)と、トプコン(本社:東京都板橋区)は先月20日、スマート農業の開発協力に関する基本合意書(MOU)に調印した。この合意に基づき同社はスマート農業ソリューションを提供、タイ政府が推進するコメ・カッサバ芋・トウモロコシ・サトウキビ・パイナップル生産スマート化の実証実験に参画する。

タイは国土の4割が農地であり、農業がGDPに占める比率や、農地面積、農業雇用、農村人口など多くの関連指標は、他のASEAN諸国と比べても高いものの、1ヘクタールごとの生産性及び品質がASEAN諸国と比較して低いことが課題として挙げられている。そこで今回おこなう実証実験は、スマート農業用のビッグデータプラットフォームをこれから作成発展させるうえで重要な役割を果たすという。

トプコンは、タイ農業省とともに農機用の自動操舵(オートステアリング)システム、レーザー式生育センサーCropSpec、整地用のランドレベリングシステムを活用し、生産性の向上、コストの削減効果の検証を行っていく構えだ。