陸の要所でMaaS、立川駅周辺にて社会実装モデル構築を試みる

陸上の公共交通機関として真っ先に皆さんの頭に思い浮かぶのは鉄道だろうか、バスだろうか――。モノレールだという人もいるだろう。公共・社会インフラでのIT(情報技術)活用がすすむ昨今、移動手段をサービス化する「MaaS」が、福祉的、経済及び環境的にも大いに注目されている。

今月11日、小田急電鉄とJR東日本は、ヴァル研究所と協力し、鉄道会社間の境界を越えたサービスの提供を目指した「MaaS」に関する連携検討の具体的な取り組みとして、"立川駅周辺エリアにおけるMaaSの実証実験"を行うことを発表した。

今回の取り組みは、東京都が公募した「MaaSの社会実装モデル構築に向けた実証実験」として実施するものだという。JR東日本の中央線(東京~甲府間)・南武線および小田急グループの立川バスのリアルタイム運行データを用いた"経路案内"と、多摩モノレールの1日乗車券と沿線施設の利用券がセットになった"電子チケット"を1つのアプリで提供し、立川エリアでの「おでかけ」全体をサポートする。

小田急電鉄はヴァル研究所の支援のもと「MaaS Japan」、鉄道やバス、タクシーなどの交通データや各種フリーパス・商業施設での割引優待をはじめとした電子チケットの検索・予約・決済などの機能をアプリ等へ提供するオープンなデータ基盤を開発している。一方、JR東日本は「Mobility Linkage Platform」の構築によって、「シームレスな移動」「総移動時間の短縮」「ストレスフリーな移動」の実現を目指している。

各社が協同して公共交通をより便利に利用できる形にする。周辺道路の混雑緩和や対象地域の商業・観光施設の来訪者満足度向上を目標にしている。「鉄道とバスのリアルタイム運行データを同時に用いた経路案内の提供」は日本初となる予定であり、具体的なアプリのイメージや実証時期など、詳細は決まり次第お知らせするとのことだ。