「リアルタイムに危険性の見逃しを防止する、機械式立体駐車場」

都市部の集合住宅やビルディング等でよくみかける。機械式立体駐車場では、'07年~'14年に重大事故26件を含む約204件の事故報告があり、事故要因の約8割は「無人の場所での確認不足」とされている。

国交省が'14年にまとめた「機械式立体駐車場の安全対策のあり方について」(PDF資料)でそのような実状が明らかにされ、同年同省は「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」を策定。'16年に同ガイドラインの手引きが公表されて以来、施設管理企業は駐車場係員によるカメラ映像の確認やセンサーによる安全対策を実施してきたが、課題も浮き彫りになってきた。

センサーで異常が検知された際に現場を確認しに行く負荷や、システム上で映像を常時監視する負荷が高く、駐車場係員が異常を見逃したり、対応できなかったりすることがあったという。DNPは今月20日、監視カメラに映った注意するべき人物や物体に対し、その存在を画面上に表示することによって、危険な状況の見逃し防止につなげていく"機械式立体駐車場向けシステム"を開発したと発表。

独自の画像処理解析技術やセキュリティ技術とカメラを組み合わせた「DNPセキュア監視サービス」のひとつとして、これを12月に提供を開始する。機械式立体駐車場向けシステムは、映り込んだ人物が長時間動かない、見えにくい位置や色の服装をした人物がいる、人物が車両内に残っている、置き去りになった荷物があるといった状況を画像処理解析技術によって高精度に検出して、画面にアラート(警告)等を発する。

「導入環境に合わせてカスタマイズが可能」、「リアルタイム検出」、「カメラ等の機材を選ばない」といった特長も備えた同システムは、第1弾として、様々なテクノロジーを検証・採用しながら「安全・安心な街づくり」を推進する森ビルが開発中の虎ノ門ヒルズビジネスタワーの機械式立体駐車場に導入される予定だ。