あらゆるモノがネットにつながる「IoT」がもたらす変化は、産業界に留まらない。医療・ヘルスケア分野から災害対策、警備、社会インフラの保全分野にまで広がりつつある今、まさにあらゆるモノがつながり始めたと言っても過言ではなく、IoT機器の開発競争は今後一層過熱するだろう。
IoT機器開発の期間短縮が必須となっている。8月20日、ルネサスは、IoT端末に向けて、Amazon FreeRTOSに対応したマイコンを使用してAWSにスピーディにWi-Fi接続が可能なクラウド通信評価キット「Renesas RX65N Cloud Kit」を発表した。同キットは環境センサや照度センサ、慣性センサを搭載していて、エンドツーエンドにセキュアにAWSへ接続できるため、センサ機能付きIoT機器のプロトタイプ開発や評価に最適だという。
今回特に、ルネサスの統合開発環境「e2 studio」をAmazon FreeRTOS用に拡張したことにより、Amazon FreeRTOSと、必要なすべてのドライバ、ネットワークスタック、コンポーネントライブラリを設定可能となっていて、IoT機器の開発を容易にする。同キットからAWSにアップロードしたセンサ等のデータは、AWS上のダッシュボードでモニタすることもできるという。
「お客様は、本キットをプロトタイプ開発に使用し、その後、同じハードウェアやソフトウェアをリファレンスとして利用することにより、開発期間を短縮でき、早期市場投入により大きな価値を生み出すことができるでしょう」と同社バイスプレジデントがいう。
スマートメータ、ビル・オフィス・産業用オートメーションシステム、家電など、AWSにWi-Fi接続するIoT機器の早期開発を可能とする。Renesas RX65N Cloud Kitは販売を開始していて、参考価格は1個50.00米ドル(税別)とのことだ。