配送伝票入力作業、AIにて自動化し月間8,400時間短縮

昨今働き方改革が盛んに言われる。日本は、超高齢化社会をゆくためにも、業務のデジタルトランスフォーメーションが待ったなしとなっている。人工知能(AI)などの先進的な情報技術(IT)を活用して、様々な課題を解決する。データ駆動型の社会及び産業のしくみが具現化されつつある。

現代社会と産業の基盤を支える物流業界では、人手不足の深刻化がすすんでいる。その一方で、年間約13億個の荷物を取り扱う組織であっても、繁忙期には1日に100万枚もの配送伝票の情報を、システムに手入力していたという。佐川急便SGシステムフューチャーアーキテクトの3社は、SAGAWAの配送伝票入力作業をAIが代替する新システムを先月本稼働させた。

昨年末にフューチャーアーキテクトとSGシステムが開発を始めていたという。深層学習を活用した文字認識などのAI技術をベースにしたシステムでは、配送伝票情報の読み取りから既存システムへのデータ連携までを自動化している。これにより、佐川急便の配送伝票情報入力を受託しているSGシステム等では、それにかかる作業時間を月間約8,400時間短縮して、貴重な労働資源を最大限に有効活用できるようになる。

新システムのAIは手書き数字(サイズ、重量)の認識精度が99.995%に達していて、〇で囲まれた数字や取り消し線で修正された数字も読み取る。複写式伝票の記入時や運搬過程で文字の擦れや傷が生じても問題なく数字を読み取り、高い品質のデータ入力を実現しているという。システムの本稼働により、膨大な配送伝票の手入力作業がAIで代替・自動化され、高品質を安定的に維持しつつ、負荷とコストの大幅圧縮が可能となる。

今回の新システム開発で培ったAI技術を、SGホールディングスグループ各社に順次展開していく。3社は、同グループ全体のさまざまな業務において、人とAIの協働を推進していく考えだ。