IoTにより児童と生徒の熱中症リスクを防ぐ

地球温暖化の影響だろう、近年夏には酷暑が続いている。日本では熱中症が社会問題となっていて、自治体や学校では、暑さ指数(WBGT)を正しく把握して皆に注意喚起、特に児童及び生徒の活動への対策が喫緊の課題となっている。

人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に与える影響の大きい湿度、日射・輻射など周辺の熱環境、気温の3つを取り入れた指標WBGTについて「熱中症予防情報サイト」が毎日実況している。7月、体育授業や部活動等、屋内外で運動する児童・生徒は大人よりも体格が小さく、熱中症リスクが高まるという。

吹田市NTT西日本NTTフィールドテクノフジクラは30日、LoRaWAN™(Semtech社)を活用して収集したデータに基づき暑さ指数を可視化し、タイムリーに注意喚起する新たな熱中症対策のあり方について、公立学校における実用性を検証するトライアルを実施すると発表した。吹田市とNTT西日本は'17年末に「ICTを活用したシティプロモーション推進に関する連携協定」を締結――。

以来、安全で住み易い、健やかで心豊かに暮らせるまちづくりなどをめざし、ICTを活用した様々な取り組みを推進している。そこで今回、5者が共同して、計測センサーを用いた暑さ指数の実測・視える化による生徒の熱中症対策トライアルを実施する。吹田市立南千里中学校において、運動場と体育館に設置するセンサーで温度・湿度・輻射熱等を計測する。

計測したデータは、低消費電力で広域無線IoT通信を行うLoRaWAN経由でクラウドに蓄積される。そして、職員室内のPCやタブレットから暑さ指数等を確認できる。通信検証と効果検証を予定しているしくみの試行は9月30日まで。運動場や体育館に設置したパトランプや、メールにて教職員・生徒らに適宜注意喚起し、暑さ指数に応じた速やかな対処を促すという。先に、高齢者らへの熱中症対策も見据えている。