現代の産業及び社会になくてはならないもの。発展した文化文明の裏返してあり、象徴の一つでもあるそれは廃棄物処理施設――。ごみを燃やして電力や温水などを生みだしたりするプラントでもある、そこでは、自動燃焼制御装置(ACC)により焼却炉の安定的な操業が行われている。
大きさ、形状、材質等がまちまちなごみが投入される焼却炉では、燃焼状態もさまざまに変化するため、廃棄物処理施設の中央制御室などから運転員による監視を行い、必要に応じた介入操作が不可欠となっている。昨年3月に開設した各種プラントの統合監視センター「グローバルリモートセンター」にて、全国の支援対象施設に対し24時間体制で遠隔監視と操業支援を行っているという。
JFEエンジニアリングは今月18日、廃棄物処理施設で最も重要な設備であるごみ焼却炉の操業において、国内で初めて完全自動運転を実現したと発表した。同社は、ACCの高度化とともに、運転員が行う介入操作を自動化するシステムの開発に取り組んできた。そして、昨年10月より新潟市新田清掃センターにて、このシステムを適用した実証運転を開始し、焼却炉の完全自動運転を達成した。
AI燃焼画像解析システムの"見える化"画面を用いて、運転員による介入操作を100%削減し、この状態を2週間以上続けた。期間中は従来よりも安定燃焼が認められ、ボイラからの蒸気発生量の安定性も向上した。これにより、発電量の増加にもつなげられる。同システムによる運転を今後も継続し、長期にわたる安定性を確認するとともに、今回のしくみの商品化を進める。同社が納入した施設や新規施設への拡大を図っていくという。
JFEエンジニアリングは、焼却炉に続き、プラント全体の自動運転を目指してこの先進的な取り組みを継続し、くらしの礎を創り、担う企業として、豊富な知見と最先端の技術で循環型社会の形成および環境保全へ貢献していく構えだ。