オープンな印刷ワークフローで多様性と工程のまるごと最適化を実現

わが国の印刷業界では近ごろ受注案件の小ロット・多品目化や、短納期化への対応が求められている。その一方で、全産業にて深刻になりつつある人材不足という大波を受けて、労働力の確保と専門スキルの継承が一層困難になっている。

業務効率の改善は必然――。印刷会社は、受注からプリプレス(入稿・面付け・刷版など)、印刷、加工、検品、発送に至る各工程において、自動化などの生産性向上に取り組むことが要求されているという。富士ゼロックスは、印刷工程全体の業務最適化に貢献し、業界標準規格(JDF、JMF)をベースにデータをやりとりする統合型ワークフロー実現ソフトウェア「プロダクション コックピット2.0」を、今月25日に国内で発売する。

様々なメーカーの機器等が混在する環境での一括管理を達成する。オープンなプラットフォームである同商品は、印刷業務の全工程を対象に、各機器の稼働状況と生産余力、予定印刷ジョブなどに関する情報を、システム連携により一元的に集約。それらを可視化し統合処理することで業務の自動化を実現し、工程間の印刷ジョブの滞留を解消、ワークフロー全体の生産性向上を可能にする。

「IGAS2018」で大注目された前世代品に市場の声を反映したものだという。今回の商品は、紙種や仕様が千差万別の印刷ジョブごとの進捗状況と、印刷機や加工機などの各生産装置の稼働状況をリアルタイムにデータとして取得。独自技術により装置ごとの生産余力を算出する。熟練オペレーターの手作業に依っていた印刷ジョブの振り分けや予定組みを自動的に行うことにより、効率的な印刷を叶える。

随時受注される多種多様な印刷ジョブの出荷までのワークフロー全体を効率化し、スマート印刷ファクトリーを具現化するという。新商品は、約100万頁/件、かつ約1千件/月のデジタル印刷生産ラインにおいて年間2,000万円超のコスト削減効果が期待できるとされている。