情報通信
エンタープライズストレージはオールフラッシュが牽引役を継続
企業・団体向けIT(情報技術)システムにおける重要かつ使用頻度の高いデータの格納、保護、管理、共有――。それらのタスクには多くの場合、高速で機能性及び拡張性に優れた独立型のストレージシステムが用いられる。
演算装置とは別に設けることから、それを外付型エンタープライズストレージシステムと呼ぶ。IDC Japanは今月5日、'19年第1四半期(1月~3月)における国内の同システムへの支出実績について、約563億円で前年同期比8.2%増であったと発表した。支出額をセグメント別に見るとメインフレーム向けが約53億円(前年同期比6.1%減)、オープンシステム向けが約509億円(同9.9%増)だったという。
メインフレーム向けは'15年の大型更新のピーク以降、支出が低迷。オープンシステム向けは、ハイエンドとミッドレンジが2桁のプラス成長で、引き続き国内サービスプロバイダーのストレージシステム需要が市場を牽引している。同四半期のエンタープライズストレージシステムでは、搭載メディアのHDDからフラッシュへの移行が継続的に進み、オールフラッシュアレイ(AFA)の支出額は約143億円で前年同期比75.2%増だった。
ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)のそれは約236億円(同16.7%増)であった一方、オールHDDアレイは約184億円(同22.3%減)だったため、支出額全体に占めるAFA比率は25.4%(前年同期15.7%)に上昇した。中央官庁の年度末を含む同期間にその比率が大幅アップした。AFAは、企業ユーザーのシステム更改でも用いられるようになってきたと考えられる。
ストレージシステム売上額上位5社は富士通(シェア18.1%)、日立(16.9%)、デルテクノロジーズ(15.4%)、ネットアップ(10.7%)、NEC(8.9%)。日の丸3社の合計が50%を下回ったのはここ10年で初めだという。