医師と薬剤師が各専門性を発揮しつつ業務を分担し、医療の質の向上を図る。そのために政府は「医薬分業」を推進してきた。結果今では、院外処方せん率は70%を超え、調剤薬局数が5万8千超となっている。
日本薬剤師会の「医薬分業進捗状況(保険調剤の動向)」や、厚労省の「平成29年度衛生行政報告例の概況」にそれらの実状が示されている。門前薬局の増加により、患者が受診した医療機関ごとにその近くの薬局で調剤を受ける機会が多くなっていて、患者の服薬情報の一元的な把握ができず、薬剤師の専門性を活かした薬学的管理が困難になっている。
そこで政府は「患者のための薬局ビジョン」(概要PDF)を'15年に策定し、調剤薬局に対して「門前薬局からかかりつけ薬局へ」と機能・価値を転換することを求めた。薬局が目指すべき方向性として「立地から機能へ」、「対物業務から対人業務へ」、「バラバラから一つへ」というキーワードを掲げた。
'20年度の調剤報酬改定においては、対物業務にあたる「調剤料」の引き下げ、服薬指導や情報提供など対人業務にあたる「薬学管理料」の引き上げを検討することが示されている。けれども、調剤薬局の半数以上を小規模事業者や個人運営が占める現実があり、人手に限りがあるために調剤業務以外に時間を割くことができず、求められる新たな薬局の役割を果たすことが困難な薬局も多く存在するという。
メドピアは、薬局向けのかかりつけ薬局化支援サービス「kakari」をリリースした。「いつもの薬局を、あなたの"かかりつけ薬局"に」する患者向けアプリと薬局向けシステムを提供する。同社は、「お薬相談」「処方せん送信」「事前ヒアリング」といった機能をアプリに搭載した、この度のサービスを通じて薬局と患者がいつでもつながることを可能にし、患者が一つの薬局を選び、薬局が「かかりつけ薬局」として求められる価値を提供することを支援する。