5Gで日本のケータイおよび通信サービス市場はどうなる

近々日本でも商用化される次世代移動通信規格(5G)。それは高速大容量、低遅延、多数端末同時接続といった特長を有していて、新たなユーザー体験を可能にするとともに、産業にデジタル変革をもたらす通信基盤として大いに期待されている。

5Gの普及では、エリア展開の進捗とともに、同規格を利用できる通信サービスや多様な端末の普及価格での展開を要する。さらに4K・8K高精細映像を高速に処理できる映像機器やAI(人工知能)など、5Gが可能にする新たなアプリケーション構築に必要な製品やサービスの市場浸透も求められる。商用化当初その市場の立ち上がりは緩やかだろうという。IDC Japanは20日、国内5G携帯電話と5G通信サービス市場の予測を発表した。

日本にて、5Gケータイは今年10月~12月に出荷が始まるだろう。その時点ではごく少量の対応端末に留まるが、'23年には約870万台の出荷が見込まれ、それは携帯電話市場全体の28.2%を占める。が、50%超えは同社が今回予測している期間より先であり、その普及速度は比較的緩やかだと考えられる。

5G対応携帯電話の想定一括購入価格は、当初はハイエンド価格帯での提供になると予測されるが、普及が進むにつれて、スケールメリットによって価格が徐々に低下するとものと期待される。そして、5G通信を利用可能な通信サービスの契約数については、当初は5G対応携帯電話の普及と連動して増加するだろう。これに、エンターテインメントおよび産業界の需要が加わる。

エンタメ施設からの高精細映像のリアルタイム配信、AIによる工場設備の予知保全ロボットや建設機械の遠隔操作といった5Gの特性を生かした分野でのIoT(モノのインターネット)回線としての活用などが足されて、'23年には3,316万回線、モバイル通信サービス全体の13.5%を占めると予測している。原典はIDC Corpのレポートだ。