物流IoT、輸送器材の追跡と所在管理をクラウドとエッジで

近年、労働力不足が続く物流現場では、輸配送業務に関わるステークホルダー(荷主、倉庫会社、運送会社など)間での情報共有による物流プロセスの効率化、全体最適化への期待が高まっている。

しかし従来、物流現場で求められる荷物、輸送器材、車両などの位置情報管理は、別々のソリューションとして提供される場合が多く、位置情報もソリューション導入企業内での使用に限られていた。それに加えて、輸送コストの高騰を背景に、これまで必要経費と捉えられていた輸送器材の紛失や、在庫不足による追加購入コストの削減も課題になっているという。

東芝デジタルソリューションズは、東芝「SPINEX™」をベースに物流IoTソリューション「LADOCsuite®」を提供していく。その第一弾として、配送先や自拠点内にあるモノの所在管理の負荷の軽減や、物流コストの削減などに寄与する輸送器材の追跡・所在管理サービス「LADOCsuite®/LogiTrace」の販売を開始した。

物流現場で取り扱われる荷物、パレットやカゴ台車などの輸送器材、車両など、さまざまな個体のトレース情報をクラウドに集積してそれを一元管理し、活用する。今回のサービスは、RF(無線ID)タグなどを用いて、移動情報の自動読み取り、通信費を抑制するデータフィルタリング、セキュリティ通信、蓄積データの見える化を行う。

物流拠点で輸送器材の受払管理を行うことにより、輸送器材の紛失や拠点間の偏在を抑制し購入コストを削減。同管理で課題となる輸送器材と配送先の紐付け作業では、輸送器材識別タグと配送先識別タグを同時に読み取ることで、運用負荷を軽減する。顧客向け個別アプリ開発サービスの用意もあり、蓄積された輸送器材の配送先情報を活用した誤積込防止など作業品質の改善にも貢献するという。

同サービスでは、管理ターゲットの拡張、輸送中のトレース情報の収集機能の追加が予定されている。