日本の「超スマート社会」においてもその活用が見込まれている。無人航空機ドローンは、プラント施設や社会インフラの点検、建設現場等の測量、農林水産業の効率化と生産性アップ、被災地での救援活動支援などに資するほか、離島や僻地、町の次世代輸送手段としても検証されている。
「空飛ぶマシンがアナタの町にもやってくる」と政府広報Webサイトがいう。従来のドローンはしかし、プロペラや羽ばたき翼などが人や物に衝突すると、大きな怪我や破損につながる可能性がある。ドローンの利用は東京五輪・パラリンピックでも検討されていて、そのような事態は絶対に避けねばならず――。課題があるという。
NTTドコモは、ドローンを活用した新たなビジネスの創出に向けて、プロペラを使わず、超音波振動を活用して空中を移動する安全性の高い屋内向けの飛行船型ドローン(動画:YouTube)を開発した。羽根のないドローンは、ヘリウムガスが充填された風船の浮力によって漂い、「空気ポンプ」として動作可能な超音波振動モジュールによって推進力を生み出すことで、空中を自在に飛行しながら人々の生活をサポートする。
そのドローンは、人が触っても安全な微小振動により風を起こす上記モジュールを用いることにより、飛行音が静かで、イベント会場やコンサートホールなどにおいて空飛ぶ広告や案内等に活かせる。機体に載せたカメラの撮像と画像解析技術を組み合わせて、空中からの監視や警備を実現することを想定しているうえ、機体にプロジェクションマッピングすることにより、空中に映像を表示する空間演出ソリューションの提供も検討しているという。
羽根のないドローンを「ニコニコ超会議2019」の「日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6」に出展し、その操縦デモ体験を行う予定である。ドコモは、今回の研究成果を来月4日から英国で開催される国際学術会議CHI2019にて発表する。