あらゆるモノがネットにつながる「IoT」は、家電製品や自動車といった身近なものから、産業分野における監視カメラや温湿度センサー、医療分野における生体センサーなど、用途が拡大している。IoT機器の数は'20年に全世界で約400億台に達すると予測されている。
急速な拡大基調を背景に、日本ではサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた「超スマート社会(Society5.0)」が目指されていて、世界中でIoTなどの先進的IT(情報技術)の浸透によるビジネスのデジタル変革(DX)が進展している。一方で、国境を軽々越え、情報資産の窃取や改ざん、システムを"人質"に金銭をゆするなど現実空間に実害を与える、サイバー攻撃のリスクは新たなターゲットの増加とともに高まっている。
近ごろセキュリティに関わる脅威は多く、IoT機器自体とクラウドへの接続を含めた通信環境全体での防衛策が必要になっているという。凸版印刷は、暗号鍵・証明書のネットワーク配信や工場書き込みでの管理によって、IoT機器および接続クラウドへの安全な通信を実現する「トッパンセキュアアクティベートサービス」の提供を今月8日に開始する。対象は機器メーカーやIoTサービス提供企業――。
IoT機器自体の重要データを保護する組込型ICチップの提供に加え、IoT機器がクラウドへ接続するための暗号鍵・証明書の配信を一括管理することで、機器の初回起動時から、クラウドへの接続運用、廃棄までのライフサイクル全体でIoT通信環境におけるセキュリティを高め、データの盗難や改ざん、乗っ取りなどを防止し、安全な接続・有効化(アクティベート)を実現する。機器ごとに証明書を個別管理する手間が軽減される。
今回のサービスはDeguセンサーのセキュア・エレメントに対応しているという。同社は、Deguプロジェクトへ新たに参画し、スポンサーとして技術協力を行っていく。