ドイツが国ぐるみで推し進めているインダストリー4.0、米国ではインダストリアルインターネットと呼ばれ、世界的には「第4次産業革命」として知られている。IoTやAIなどの先端IT(情報技術)を軸とする、産業分野における新たなしくみ作りは、日本を含めた先進各国で芽吹いている。
そして今月3日(現地時間2日)、ドイツで開催中である世界最大級の産業機器国際見本市「ハノーバーメッセ」にて、マイクロソフトとBMW Groupは、新たなコミュニティの構想を発表した。新構想は、一層幅広い製造業においてより迅速でコスト効果の高いイノベーションを可能にすることを目標にしているとした。
現在、製造業界では複雑かつ独特なシステムが生産性と収益性の障壁となり、プロダクトデータのサイロ化にもつながっている。この壁を打破すべく設計されたのが「オープンマニュファクチャリングプラットフォーム(OMP)」。即ち開放型技術フレームワークと業界超越型コミュニティによって生み出されたしくみであり、今回の新構想では、製造業全般に及ぶ多彩なOMP参加企業に共有される、スマートファクトリソリューションの開発を支援するとい
OMPは、Microsoft AzureのIoTクラウド基盤上に構築されていて、その目的はコミュニティメンバーへオープンな産業標準・データモデルに基づいたソースコンポーネントによる参照アーキテクチャを提供すること。そしてAI機能を含むAzureベースで構築されたBMW GroupのIoTプラットフォームは、3000台超の機械やロボット、自律輸送システムが接続されていて、これを元に、OMPコミュニティへ初期の関連ユースケースを提供する予定だという。
両社は今回の新構想により、一般的な産業課題への対応はもちろん、未来の産業用IoT開発を大幅に加速し、価値実現までの時間の短縮、および生産効率の向上をめざす構えだ。