キャッシュレス決済の本命「QRコード決済」、普及のカギは銀行口座との連携

日本が海外と比べて遅れていると言われるのが「キャッシュレス決済」だ。その中でも、注目を集めているのが「QRコード決済」である。QR決済が可能なサービスが増えているものの、その普及には課題も多く挙がっている。

経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、将来的なキャッシュレス決済比率の目標を世界最高水準の80%にすることを宣言している。しかし、日本では先進的な技術を保有しながらもキャッシュレス化が進んでいない。実際にキャッシュレスに対応していない店舗が非常に多いのが現状だ。

様々あるキャッシュレス決済の手法の中で、普及しやすいとされているのがQRコード決済だ。QRコード決済は、表示されたQRコードをユーザーのスマートフォンで読み取ったり、ユーザーのスマホのQRコード決済のアプリを開いて表示することで決済が完了する。ユーザーはスマホで決済を完了でき、店舗側は初期費用を安く抑えたまま、キャッシュレス決済を導入できるというメリットがある。

QRコード決済サービスは、徐々に広がりを見せている。みずほフィナンシャルグループの中核子会社のみずほ銀行は、QRコードを活用したスマホ決済サービス「J-Coin Pay(ジェイ コイン ペイ)」を2019年3月にみずほ銀行の口座保有者へのサービス提供を開始している。

J-Coin Payは、「送る」「送ってもらう」「支払う」というお金に関する様々な行為がスマホ上で完結できることに加え、金融機関の預金口座との入出金についても、スマホ上のアプリを使い、時間や場所を問わず無料でできるサービスだ。金融機関との口座接続の数を増やしている。2019年3月25日には、新たに金融機関21行と口座接続を開始した。

接続先の金融機関は、東北地域1行、関東地域3行、中部地域3行、近畿地域1行、中国地域6行、四国地域4行、九州地域3行となっている。

3メガバンクは連携してQRコードの規格作りを進めるなど、キャッシュレス決済の普及に努めている。日本でも本格的なキャッシュレス社会が到来することが期待される。