複合機とクラウドサービスを連携、西松建設において業務を約35%削減

建設業界では人員不足に直面するとともに、「QCDSE」(Quality、Cost、Delivery、Safety、Environment)の維持向上と業務の効率化・時間外労働の削減などを同時に推進する「働き方改革」が求められている。一方、現場では工事の進捗管理や品質担保のために作成・保存する書類が増えており、就労管理や伝票といった書類に手書きで変更点を追記する作業も多くなっている。

そのため、技術者がこうした事務作業に時間を取られ、所長がサポートする状況も発生しており、所長や技術者の事務的業務時間を削減し、工事の進行管理、作業工程の検討、安全確認といった本来業務に集中して、効率の良い働き方をすることが課題となっている。

こうした中、富士フイルムグループの富士ゼロックスは、建設現場の働き方改革を支援するサービスの提供を開始した。複合機を活用し、同社製クラウドストレージサービス「Working Folder」を経由する「かんたんデータエントリサービス」を連携させたサービスにより、建設現場のデータ入力や書類作成に関わる業務の生産性向上を実現する。

西松建設は、モノづくりの魅力をより高めるために、2017年7月から現場業務改善プロジェクトをスタートした。サービス導入後、本社管理部門もクラウド上で現場の進捗チェックが随時可能になった。また、センターが就労管理日報から月報作成が可能となるなど、同社の現場の事務的業務が約35%削減された。

富士ゼロックスは、今後も「かんたんデータエントリサービス」と複合機の運用管理サービスを組み合わせた現場業務支援サービスを、建設業界だけでなく様々な業界に提供することで、価値提供戦略「Smart Work Innovation」の提供価値である「制約からの解放」「専門性の開放」「クリエイティブな働き方」を実現し、事務効率化や顧客満足度向上、事業の発展に貢献していくという。