スマート保育園プラットフォームの開発と展開に向けて

育児、保育にかかわる課題が多い。この国では以前より、一部自治体における待機児童の多さ、普遍的にはその増加や保育士の不足などが指摘されていて、それらの課題解決は待ったなしの状況となっている。

一方、家庭にて育児等に割ける時間は減少傾向――。昨年総務省が公表した「平成29年就業構造基本調査」(結果の概要PDF)によると、夫婦のいる世帯のうち、共働きである割合は全都道府県で上昇し、平均48.8%と約半分に迫っているという。KDDIは、有望なベンチャー企業を育てるオープンイノベーションファンド(KOIF3号、グローバル・ブレイン社運営)を通じてKids Diary社に出資したことを今月20日公表した。

保育園・幼稚園などのICT(情報通信技術)化を支援するKids Diary提供のサービス、たとえば電子連絡帳アプリは、そのユーザーインターフェースの評価が高く、'17年度グッドデザイン賞を受賞。各種保育支援システムにより、子どもの日々の健康管理や出欠・遅刻の連絡、自宅や園での様子について情報共有を効率的に行えるようになる。

同サービスにより、保護者と保育従事者間のコミュニケーションを円滑にする。さらに園内の出勤システムや指導計画など一括管理を可能とし、従来の紙による自治体への申請業務や園内管理業務等の効率化を実現する。同社は'18年1月、保育現場ICT支援企業として、NEDOの調査事業を、経産省、厚労省、内閣府、総務省と共に受託し、保育施設内や区・市役所との間を結ぶIT(情報技術)の効果検証に参画しているという。

KDDIはこの度の出資を通じ、Kids Diaryを中核として、KDDIグループが持つICT開発技術、パートナー連携ノウハウを活用し、保護者、保育士、園運営者を含めた保育現場に関わる全てのステークホルダーの課題を解決する「スマート保育園プラットフォーム」を開発、展開していく構えだ。