超スマート社会、住まいの賃貸契約をブロックチェーンで確実に

国際的に「暗号資産」という呼称に変わりつつある仮想通貨など、高い安全性と可用性が求められるしくみでその活用が進んでいる。ブロックチェーン(分散型台帳)は、改ざん耐性にも優れているため、貿易業務や法務×ITのリーガルテック、知的財産の管理等でも使われ始めている。

今日、「超スマート社会(Society 5.0)」をめざす日本では、デジタル技術やデータの活用により顧客への新たな価値を創出したり、利便性を向上したりするため、企業間で情報連携し、異業種データの相互補完やサービス連携を実現する基盤の整備が求められている。厳格な個人情報等データ管理も求められる、同基盤では、すべての参加企業が公平かつ対等な立場で情報を扱えるべきであり、ブロックチェーンはこれに適しているという。

積水ハウスKDDI日立製作所は、企業が持つ独自情報を安全性の高い環境で共有し、異業種データの掛け合わせによる新サービスの創出を実現する企業間情報連携基盤の実現に向け、協創を開始する。取り組みの第一弾として、不動産賃貸物件の内覧から入居までに生じる入居者の各種手続きを簡略化し、利便性を向上する共同検証を4月から行う。

JPモルガンのブロックチェーン技術「Quorum」や、日立の「Lumada」を用いて企業間の中立的な情報連携基盤を構築し、積水ハウスとKDDIの各本人確認情報のセキュア連携を実現する。同情報の相互補完により、賃貸物件の内覧申込みの際に、現住所や電話番号を入力する客の手間を省ける。同基盤では、固定通信や電気、ガスなどの契約手続きをワンストップで提供するサービスの有効性も検証する。

カスタマイズされたサービスを一括提供する一連の流れを検討し、ビジネスモデルやサービス性について検証する。3社はこの度の成果をもとに、官民コンソーシアムの形成、一般顧客と企業の双方に有益なエコシステムの構築をめざしていく考えだ。