顔パスで決済、プライベート倶楽部の飲食代をキャッシュレスに

近ごろ、あらゆるモノがネットにつながり始めている。産業界におけるデジタル変革のしくみ、医療・介護、社会基盤にも、センシング技術等を活用した「IoT」によってデータを集積し、それを価値情報として役立てていく動きが浸透しつつある。

同ビジョンの要約版(経済産業省PDF資料)では、わが国の現状などとともに、キャッシュレス検討会(クレジットカードデータ利用に係るAPI連携に関する検討会)が毎月――直近のそれは16日に開催されていることもわかる。今月18日、NECは、生体認証による決済の社会実装に向けた取り組みの一環として、クレジットカードと連動した顔認証決済サービスの実証実験を「NEC芝倶楽部」で19日まで行うことを発表した。

異業種組織の連携によるフィンテック領域の取り組みが活発化する中、より利便性の高いキャッシュレス決済サービスが注目されているという。同社は今回、「Bio-IDiom」の中核技術であり、世界No.1の顔認証精度を有するAI「NeoFace」を活用し、グループの福利厚生施設にて飲食サービスを利用する社員を対象に、手ぶらで代金支払いが可能なしくみを提供する。

NEC芝倶楽部はフリーゾーン(食べログより)もあるため、きっと一般客たちが羨むだろう。スマホさえ不要な顔パス決済サービスは、事前にPCやモバイル端末カメラで撮影し登録した利用者の顔画像とクレジットカードの情報をシステム上で関連付け――飲食代金の支払いの際には、レジカウンターのカメラで撮った顔画像と、登録済み顔画像との照合により、本人確認を行うという。

安全性と利便性を兼ね備えた手ぶら決済が可能となる。今回のしくみを、不特定多数の人が利用する実店舗でさまざまに評価・検証し、運用ノウハウを蓄積する同社は、これを「マルチサービスゲートウェイ」のオプション機能として年内に販売開始する構えだ。