まちのIoT、街路灯にて安全安心サービスの向上へ

近ごろ、あらゆるモノがネットにつながり始めている。産業界におけるデジタル変革のしくみ、医療・介護、社会基盤にも、センシング技術等を活用した「IoT」によってデータを集積し、それを価値情報として役立てていく動きが浸透しつつある。

現在、東京都杉並区においては、区内全域に整備されている街路灯に各種センサーを設置し、入手したさまざまなセンシングデータを活用することで、街路灯をまちの安全や防災に繋げる新たな可能性を研究しているという。そして、セキュリティや自動ドア用途をはじめとしたさまざまなセンサーを開発するオプテックスは、今月18日、同区の協力のもと、街路灯の各種センサーから得られるデータを活かす実証実験を年初から行っているとした。

LPWA(低電力広域網)通信規格Sigfox(国内オペレータ、KCCS)対応のIoT無線機「ドライコンタクトコンバーター」を搭載する、"IoT街路灯"にて人流・冠水・設備をモニタリングし、杉並区のよりよいまちづくりの推進に資するデータの有効性を検証する。実験はおよそ今年一杯、阿佐ヶ谷、荻窪駅周辺、同地域の学校など数か所で実施される。センサーの種類と行政目標は次のようなものだという。

人感センサー:人流データを収集し、行政の基礎情報やサービス向上に活用
傾斜、揺れセンサー:街路灯の傾きや揺れを検知し、腐食や老朽化による倒壊や破損の予兆を通知、災害予防として活用
冠水センサー:道路の水位レベルを計測し、冠水情報の通知、住民の安全や水害対応に活用
電流センサー:街路灯の電球切れによる不点灯を監視し、早期発見・早期修繕を行い、夜間の交通安全や防犯に活用
温度センサー:周囲温度や設備の温度を測定し、環境情報の把握に活用

オプテックスは、安全・安心・快適な社会づくりや地域社会の発展に向けて、センシングデータを活用した最適なシステムを提案。さまざまな課題解決に貢献していく構えだ。