情報通信技術をベースに進める、安全安心なまちづくり
ITの活用が人々の暮らしをより良い方向に進めていく。デジタル変革の進展が産業および医療分野、社会インフラなどでも見られる昨今、古代から港町として栄え、平安時代に平清盛が遷都としたこともあり、黒船来航以来、異国情緒あふれる都市がまた新たな取り組みを始める。
3月14日、神戸市とNTTドコモは「ICTを活用した安全安心なまちづくり」に関する事業連携協定を締結する。両者は従来、地域における様々な社会課題の解決を図ることを目的に情報通信技術及びデータ活用に関する連携協定を結び、神戸市ドコモ見守りサービスなどの事業を展開してきた。それら3年間の成果を踏まえて、いっそう安全安心なまちづくりへの展開をめざし、より発展的に締結するものだという。
今回の協定は「ICTを活用した市民サービスの創出」および「ICT利活用に向けた人材の育成」が柱である。市民サービスの創出では、①省電力ワイヤレスカメラ・画像解析を活用したまちの安全確保に関する実証事業の実施、②プライバシー配慮型センシング技術を活用した高齢者等の地域による見守りに関するモデルづくり、③行政運営の効率化に向けたデータ・AIの活用をめざす。
たとえば、身近にあるのに毎年多くの事故等が発生する六甲の登山道に、簡易カメラを設置し、要救助者の早期発見を実現する。省電力ワイヤレスカメラ・画像解析を活用したまちの安全確保に取り組む。ほかに、上記センシング技術を用いて、ひとり暮らしをする高齢者の状態や心拍、呼吸数について、小型の室内設置型健康行動(睡眠、歩行、脈拍、転倒など)検知装置のみで遠隔モニタリング、異状の早期発見法を具現化する。
一方、人材育成においては、①市民、および行政・教育関係者へのスマホ利活用教育の実施、②地域における若年層プログラミング教育の支援、③教育分野におけるデータ利活用の支援といった、ICT活用ベースの取り組みを進めていくという。