生まれる前からライフログ管理、電子母子健康手帳が医療を変える

1948年に母子手帳として日本で初めて発行された母子健康手帳。妊婦健診や子どもの出生記録、発育記録、予防接種記録など、保護者のみならず医療機関や行政などの保健医療関係者とも参照・共有できる貴重なツールだ。貴重な情報を保有する母子健康手帳をデータ化し、成長に合わせたライフステージにおいて活用する取り組みが進んでいる。

NTTドコモ(ドコモ)と富士通は、ドコモの「母子健康手帳アプリ」と富士通の健康医療情報管理基盤「FUJITSU ヘルスケアソリューション Healthcare Personal service Platform」(以下、Healthcare Personal service Platform)を連携させ、妊産婦が自身の診療情報であるPersonal Health Record(PHR)の一部を病院に赴くことなくスマートフォンで参照できる「妊婦健診 結果参照サービス」を提供する。

母子健康手帳アプリは、ドコモと特定非営利活動法人 ひまわりの会が、2016年10月より提供している子どもの健康や成長を一貫して記録できるとともに、妊娠週数や胎児の成長に合わせて自治体・病院・専門家から信頼できる情報が最適なタイミングで届くスマートフォンアプリだ。

厚生労働省が定める母子健康手帳省令様式に合わせた健診の記録に対応し、入学後の健診の記録もでき、胎児期から成人までの健診結果をアプリで一元的に管理・閲覧できる。また、記録のグラフ化や、妊娠週数・子どもの年齢に応じた最適なコンテンツ配信など、デジタルならではのサービスを提供する。

Healthcare Personal service Platformは、、PHRの情報を安心安全に保管・活用できる健康医療情報を起点とした個人向けサービスの統合管理基盤。2019年2月からサービス提供を開始している。

妊婦健診 結果参照サービスは、産科医療機関が保有する妊産婦の健康診査結果(以下、健診結果)やエコー画像を母子健康手帳アプリを通じて、本人同意のもと妊産婦に安全に提供できるもの。富士通が産科医療機関向けに2019年4月から販売を開始する。

同サービスにより、妊産婦は母子健康手帳アプリから、いつでもどこでも手軽に自身の健診結果を参照できる。母体や胎児の健康状態を日々確認しながら、より安心して充実したマタニティライフを過ごすことを支援する。また、産科医療機関は、エコー画像や健診結果などの妊娠経過に関するきめ細かい情報や医師のアドバイスを妊産婦に提供することで、妊産婦とのコミュニケーションを深め、より質の高いサービスの提供につなげていくことが可能になる。

両社は今後5年間で600医療機関への導入を目指す。