秘密計算環境でビックデータ分析、生活者マーケティングに活用する

IT(情報技術)を活用して人々の暮らしをより良くする。産業及び社会のデジタル転換が進む昨今、医療・ライフサイエンスを含む各種分野、旅行や買い物、コンサートや映画鑑賞など様々な場面でデータが生成・蓄積されつつ、その有効活用が求められている。

一方、首相官邸サイトがその関連情報を示し、プライバシー保護に関する法律に基づき設置された個人情報保護委員会が啓蒙――。あるいはEU内にも事業拠点があり、基本的人権とプライバシーの厳守を定めた一般データ保護規則(GDPR)を遵守ないし意識しているにしても、多くのビジネスやサービスにおいて、生活者や社会に関するデータをマーケティングなどに利用もしくは活用するニーズが、高まり続けている。

そしてそのような利活用の際、データの取り扱いや企業間でのデータ連携において、個人データに関わるプライバシー保護や企業としての機密情報の取り扱いなど、データセキュリティに課題があったという。博報堂DYホールディングスは、生活者DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)と企業保有データとの連携をより安全かつ高度に行うことを目的に、EAGLYS社と資本業務提携を行った。

EAGLYSはAI(人工知能)×秘密計算――データを暗号化した状態で任意の処理を行う秘密計算技術の研究、設計、開発および導入支援を行っている。また、博報堂DYグループは、生活者発想を実践すべく"生活者データ・ドリブン"マーケティングの対応力を強化し、生活者データの効率的な管理、分析基盤の構築等、生活者データの利活用に取り組んでいるという。

両社は今後、生活者DMPと秘密計算環境をつないでビッグデータ分析モデル構築等の研究を進め、安全かつ有用なデータ利活用システムを開発し実証。さらに多様な企業・団体とのデータ連携、企業間データ連携の促進や新たなマーケティング・ソリューション開発もめざしていく構えだ。