働き方改革AI、業務の自動化をOCR×RPAにて

わが国では今、官民挙げて働き方を変える様々な取り組みが進められている。労働環境や制度、仕事と生活のバランスに対する意識、業務プロセスの見直し及び革新はもとより、先進的なIT(情報技術)を活用したデジタル転換によってそれを実現する。業務の量には、季節性がある。

東京都の中央やや南あたりに位置する、ハローキティの故郷でもある多摩市は、特定の時期に作業量が膨大に増える業務があり、これが長時間勤務の一因になっているため、最新ITによる定型業務の自動化を検討――。今月4日、同市とインテックは、米国ユーアイパス社の日本法人UiPathと共同で、OCR(光学式文字リーダー)とRPA(ロボティックプロセスオートメーション)の組み合わせによる自動化の実証を開始した。

実験は7月まで、①住民税関連業務(課税課)、②児童手当関連業務(子育て支援課)、③保育園入所申請書入力業務(子育て支援課)を対象に、インテックの項目認識AIを用いたOCR――非定型様式の帳票の印字を読み取り、指定の項目と値を人工知能を用いて紐づけデジタル化、および事前設定された実行手順通りに動くRPA――人間みたいに定型的なシステム操作やデータ入力を行うソフトウェアロボを活用する。

今回のしくみについて、多摩市では、業務の効率化や正確性の向上を図り、職員の時間外勤務の削減や市民サービスの向上等につなげる「働き方改革」の取り組みとして、今後本格導入を目指す。そしてインテックは、この度の実証実験で自治体業務における最新技術の検証と成果報告を行い、さらにここで獲得したノウハウを活用し、他の市町村にもRPA導入を展開していく予定だという。

同社を含むTISインテックグループは、約60社、2万人が一体となって、それぞれの強みを活かし、日本国内および海外の金融・製造・サービス・公共など多くの顧客のビジネスを支えるITサービスを提供していく構えだ。