京王電鉄下北沢駅で駅案内ロボットの実証実験が始まる

オムロンの子会社として社会システム事業を担う、オムロン ソーシアルソリューションズ(以下、OSS)は、駅における窓口業務の自動化に向け、利用客からの問い合わせに応対する「駅案内ロボット」を開発した。京王電鉄の井の頭線下北沢駅にて試験運用を開始する。

昨今、少子高齢化の進展に伴い労働力人口が減少し、鉄道事業者においても、問い合わせ対応などのサービス提供の維持が困難になると見込まれている。一方、利用客のニーズは多様化し、より安心・安全・快適で利用しやすい駅サービスの提供が求められており、駅業務のオートメーション化が課題となっている。

OSSは、今回の試験運用で実際の利用客との対話を積み重ね、音声対話型AIエンジンの回答精度を向上させる。今後、この音声対話型AIエンジンを、駅運営に関わる様々な機器や設備に搭載することで、駅業務のさらなるオートメーション化に貢献する。

今回開発したロボットは、OSSが独自に開発した音声対話型AIエンジンを搭載しており、駅利用客からの、乗り換えや駅構内・周辺情報などに関する様々な問い合わせに、音声とディスプレーでの文字表示で回答する。雑踏の中でも利用客の声を正確に認識し、動作を交えて応対するなど、親しみの持てる自然な対話ができるのが特長で、このロボットの運用により、駅利用客へのサービス向上と、窓口業務の省力化を両立できるという。

多くの人が行き交う雑踏の環境下で、正確に利用客の音声を集音し認識する「音声処理技術」と、ロボットが回答している途中に別の質問を受け付ける「割り込み対話機能」を搭載し、より人と人との対話に近い応対が可能。音声とディスプレーでの文字表示による案内に加え、ロボットが利用客との対話にうなずいたり、体の回転や腕の動きで方向を指し示したりすることで、利用客に分かりやすく親しみがもてるユーザーインターフェースを実現している。