ダイナミックな高精度3Dマップにて自動運転およびADASを支える

衝突や事故を回避する先進運転支援システム(ADAS)をはじめとした自動車の技術革新が加速している。いま、来る自動運転時代を見据えて、自動車及びその関連メーカー、IT(情報技術)ベンダーらも合従連衡あるいは競合しつつ、さらなる技術の高みを目指している。

現在の最新技術搭載車、近未来の自動運転車両ともに、高精度な地図が命となる。そこで今年1月中旬、ソフトバンクDMPは、自動運転や安全支援システムの中核を担う高精度な3次元「ダイナミックマップ」(静的情報、準静的情報、準動的情報、動的情報を組み込んだデジタル地図)に関する実証実験を行った。

今回、高精度3Dマップ製作用のレーザー、カメラ、システムを搭載した車両で公道を走行し、走行した道路の3次元情報を取得して、測定データをセキュアなソフトバンクの閉域網内のMEC(多重アクセスエッジコンピューティング)サーバー上で処理・逐次解析することで、遮蔽物などによって正確に測定できなかった地図情報について、走行中の車両内や遠隔地で準リアルタイムに確認することができた。

ダイナミックマップのうち、路面・車線・3次元構造物といった「静的情報」と、画像・レーザー点群・走行軌跡などの「3次元地図共通基盤データ」を対象に4G環境で実施した、この度の取り組みによって、これまで正確に測定できなかった場所をすぐに特定でき、地図の測量作業を効率的に進められる。今後は、次世代移動通信規格(5G)を活用することで、高精度な3次元地図情報の実現とリアルタイム性の向上などが期待できるという。

自動運転車両が安全に走行するためには、交通規制や道路の高さ制限などの情報をリアルタイムに認識可能な「ダイナミックマップ」が必要だとする。ソフトバンクとDMPは、自動運転時代の幕開けを視野に、超高速・大容量な5Gを活用したリアルタイムな地図生成などの実現性を共同で検討していく構えだ。