ヒーターも付属、IoT活用のスマートバス停の実証実験を開始 岩手交通

岩手県交通と西鉄エム・テック、安川情報システムは、西鉄エム・テックと安川情報システムが共同開発したIoT技術を搭載した高機能なバス停「スマートバス停」を用いた実証実験を、2019年2月20日から約1年間、岩手県盛岡市内の「盛岡バスセンター(ななっく前)」バス停(ななっく側)にて開始した。

スマートバス停とは、デジタルサイネージなどに時刻表や運行情報に加えて、その他の告知文や緊急案内、広告などをリアルタイムに提供できるバス停のこと。対象の曜日や時間帯の文字サイズを自由に設定できるなど、ユーザーの利便性向上にも寄与する仕様となっている。また、遠隔で操作できることから時刻表の張替え作業など管理作業が不要となるため、働き方改善にも効果が期待でき、また時刻表の印刷ペーパーの削減も可能になる。

今回の実証実験では、バスの時刻表や告知文、緊急案内など様々な情報を柔軟に提供することで利用者の利便性効果を検証。また、視認性の高い大型モニターを採用する他、電源設備を施しヒーターを付属させることで、寒冷地でも機能維持ができるかも検証する。

岩手県交通では、県内を中心に広範なエリアに多数のバス停留所を有しており、ダイヤ改正時等におけるバス停表示の一斉入替えが大きな負担となっている。今後も続く少子高齢化時代を見据え、限られた労働力をIoT技術の活用で補う目的で今回の実証実験に取り組むことにした。

また、盛岡バスセンター(ななっく前)バス停は盛岡地区における中心市街地活性化の重要拠点に位置していることから、明るく視認性の高いスマートバス停の設置は中心市街地の賑わい創出にも貢献するものと期待している。さらに、現在、盛岡地区において採用されているバスロケーションシステムは老朽化が進みつつあり、早期の次世代システム導入が重要な経営課題となってきているが、スマートバス停はそうした次世代システムにおけるバス現在位置の示機としての活用も視野に入れている。

西鉄エム・テックと安川情報システムにとっては、県外での実証実験の2例目。利用条件の異なる地域での技術検証を重ねることで、ノウハウを蓄積していき、九州内外のバス事業者の労働力軽減に寄与していく考え。