ITを活用した産業のしくみおよび社会インフラのデジタル転換が進みつつある。近ごろ、データ駆動型の社会と産業の実現をめざす国が増える一方、膨大な個人情報を握っている企業だけがこの世の春を謳歌、かつ己の利益を優先しプライバシーを軽んじている問題等がクローズアップされている。
EUで個人データ保護規則(GDPR)が発効され、日本でも昨年12月から日本IT団体連盟による「情報銀行」認定が始まるなど、個人の意思によりパーソナルデータを預け、流通させる機運が社会的に高まってきているという。NTTデータは、安心安全かつ利便性の高い情報銀行の実現に向け、個人の同意に基づきパーソナルデータを流通させるプラットフォームを活用した実証実験を今月18日~3月26日に行う。
同実証実験に先立ち、パーソナルデータを活用する一般消費者向けのサービスを想定し、個人情報利用に関する同意・流通履歴などを管理するプラットフォームを構築した。同社はこのプラットフォームを用いて、東京海上日動など企業の協力のもと、一般モニター500名(募集予定)参加による実データを使用し、個人および事業者における課題の抽出と解決方法の検討、個人主導型パーソナルデータ運用に関する検証を行うという。
仮想パーソナルデータストア(PDS)に情報登録するモニターには、企業のサービス利用申請の申し込み、実際のパーソナルデータの連携に同意するWeb上での意思表示、パーソナルデータの情報更新手続き等を体験してもらい、アンケートで感想を頂戴する。そしてその集計によって、Web画面の視認性、データ連携による個人の利便性と操作性、利用者側の情報銀行に対する信頼性などを確認する。
NTTデータは、今回の実証実験での結果をもとに、上記パーソナルデータ活用サービスのさらなる改善を行い、'19年度中に情報銀行の仕組みを支えるプラットフォームの実運用をめざす構えだ。