今もっともホットな産業分野のひとつは「自動車」だ。日本では少子高齢化と趣味の多様性などの荒波を受けつつ、シェア経済の台頭を迎え入れ、IoTやAI、ロボティクスにも通じる自律走行、超スマート社会における安心安全な自動運転を実現する先端技術の研究開発が盛んになっている。
次世代のモビリティ社会を構成するしくみの一つにMaaS(Mobility as a Service)がある。サービスとしての移動手段、これを提供するため、ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資により設立されたMONET Technologies社は、三菱地所とともに18日、車内空間を有効活用し、これまでの「移動時間」を働く時間や家族と快適に過ごす時間などに変え、物品販売などもする、新たなモビリティサービスの検証を行うと発表した。
両社はまず今月26日から3月22日、東京・丸の内エリアに勤務する人を対象に、スマホアプリで選択した場所から勤務地付近まで送迎するサービス「オンデマンド通勤シャトル」にて、そのニーズやオペレーションを検証する。実証実験は「ビジネスパーソン」向けと「ワーキングパパ・ママ」向けがあり、Wi-Fiや膝上テーブルなどによってそこをオフィススペースとしたり、保育施設の利用者が子どもと快適に通勤できる空間を作ったりする。
ほかに車内で軽食を販売、絵本を提供するなど、車内空間を活用した新たなサービスの可能性についても検証する。ビジネスパーソン向けMaaSは吉祥寺、豊洲、川崎、上野、等々力、赤坂エリア~丸の内エリア。ワーキングパパ・ママ向けMaaSの送迎エリアは丸の内を中心とした半径3km圏内だという。
両社は今後、通勤に加えて、商業施設や空港への移動など、さまざまなシーンにおけるモビリティサービスの事業化について検討を進め、最先端のモビリティサービスにより時間や空間に縛られない街の実現を目指していく構えだ。