近年、AIやIoTといった先進的なデジタル技術の採用が様々な産業現場で検討されている。製造、通信、エネルギー等の分野では、機械設備の監視・点検業務、製品の品質管理などにそれらを活用し、新しい価値の創出や、業務改革を実現しようとする動きが増えている。
そのためには、AIの学習データを現場で如何に収集し、どのようなルールで解析するかが重要。だが従来のAI・IoTシステムは、データをクラウドへ集約するものが多く、課題も生じていた。たとえば機械設備への適用では、止められない運用により変更が容易でないとか、即時解析のための1次処理が必要だとか、大量データの通信と保管コストが嵩んだり、解析結果のフィードバックが遅い現場で適切なアクションがとれなかったり――。
そこで機械設備に近いところでリアルタイムにデータの収集、加工、監視をするエッジコンピューティング、さらにAIによる解析、検知、判定などをする「エッジインテリジェンス」の活用が期待されているという。NTTデータは、米国FogHorn社との日本国内におけるパートナー契約を締結。エッジ領域でのIoTとAIを活用したコンサルティングおよびインテグレーションサービスの提供を15日に開始する。
主に製造業、通信業、エネルギー産業などの顧客を対象として、高度な機械監視・設備保全業務を実現する。プラットホームとしてIoTのエッジ側でAI処理ができるFogHorn製品を活用する。これにより、機械設備に近いところでのデータ収集および解析が容易になる。顧客は既存設備への変更を最小限にして、リアルタイムにデータを整形・ひも付けし、異常検知や予兆把握が可能になるという。
NTTデータは、設備保全・保守業務をAIにて高度化するサービス群「デジタルメンテナンスソリューション」の提供を昨年12月に開始していて、エッジ領域でのAI活用を重要な技術要素と位置付けている。