大規模基幹システムのモダナイゼーションを実現、KDDIエンジニアリング

日立ソリューションズは、KDDIグループの情報通信インフラの建設などの中核事業を担っているKDDIエンジニアリングの基幹システム(財務会計、ワークフロー、勤務工数、人事・給与など)をモダナイゼーションし、稼働を開始した。

KDDIエンジニアリングは、このプロジェクトにおいて、2018年11月20日に企業情報化協会の「IT特別賞(レガシーモダナイゼーション賞)」を受賞している。

KDDIエンジニアリングは、2005年の会社設立以来、事業拡大とともに従業員数が約600人から3500人へと6倍に増加する中、スクラッチで開発された基幹システムの機能追加を繰り返し対応してきた。

その結果、従来のレガシーなシステムでは、データ構造が複雑化・肥大化しており、複数のシステムへの二重入力が必要になるなど、業務が個別最適化され、煩雑化するという課題が発生し、経営情報のタイムリーな把握が難しい環境だった。また、多くの基幹システムは老朽化が進んでおり、同時期に刷新する必要に迫られていた。

そのような背景から、KDDIエンジニアリングは、多くの企業で実績のある「Microsoft Dynamics 365」「Office 365」、人事総合ソリューションのリシテアをシームレスにつなぐモダナイゼーションを提供できる日立ソリューションズとともに、複数の基幹システムのモダナイゼーションと、業務の標準化を実施。2018年4月から経営情報のタイムリーな可視化を実現している。

KDDIのパブリッククラウドサービスであるKDDIクラウドプラットフォームサービス上に構築された新たな基幹システムは、経営戦略や業務の変化へ柔軟・迅速に対応可能。内部統制的なリスクも解消できるシステムを構築できたことやクラウドによる工期短縮、コスト削減を実現し、今後のスケールアップやスケールアウト、BCP対策や性能問題への迅速な対応も可能になった。

受注から納品、工数、外注、納品、検収まで一気通貫のサプライチェーンを実現したことで、各工程間における手作業のオペレーションが不要になった。また、部門別、事業別で精度の高い経営情報を収集することで、リアルタイムで各種分析ができるようになった。さらにクラウドを適用して実現したことで、今後の事業環境への変化へ柔軟に追従していく体制を整備した。