情報通信
開放的なオフィススペースでビデオ会議はできるのか
働き方改革や生産性向上がいわれる。日本では昨今、ブロードバンド回線の普及ともあいまって、テレワークを推進する企業・団体が増え、ビデオ会議システムの導入も進んでいる。
在宅勤務やサテライトオフィス勤務の拡大に伴い、様々な場所で働くメンバーと、オフィスで働くメンバーを映像と音声でつなぐニーズが高まっていて、ビデオ会議システムは、これまでの閉じられたスペースでの利用だけでなく、オープンなオフィス空間での利用が増えているという。NECネッツエスアイ、ヤマハ、イナバの3社は、各社が持つ知見を結集し、オフィスのオープンスペースでそれを利用する際に顕在化する「音の課題」に対する検証を行った。
場所はNECネッツエスアイ本社の営業フロア。簡単な操作で高品位ビジュアルコミュニケーションが可能な「共創ワークソリューション Zoom」によって社内外とのミーティングを月に約4,500回実施する同社では、オープンなオフィス空間でこのしくみを利用するとき、会議参加者がまわりの声を気にする一方で、周囲の執務席では会議システムのスピーカーから発する音をうるさく感じることが課題になっていたという。
そこで今回、上記オフィスフロアにイナバ製の吸音ローパーティション「YURT」とヤマハ製のコラボ用マイクスピーカー「YVC-200、CS-700AV」を併用するビデオミーティング環境を2つ、可動タイプと固定タイプとを設けて、それぞれで音に関する3種類の検証を実施した。結果、話し声の大きさを感じやすい周波数帯でそれぞれ最大5dB程度と7dB程度、固定タイプの上部に傾斜パネルを付けたときには執務者にとっての雑音が10dB(音圧約70%)近く軽減されることがわかった。
ミーティングスペース周辺の音がビデオ会議システムのマイクに与える影響も、可動タイプ、固定タイプともに最大5dB(音圧約40%)程度軽減されることが判明したという。