東急電鉄によると、伊豆エリアは多くの観光資源が集まる魅力的な地区の一つとして2012年から観光客数も再び微増している一方、高齢化率は約3割となり人口減が進み、観光客・住民の2次交通維持が課題となっているという。
実証実験では、専用アプリ「Izuko」によって、鉄道、バス、AIオンデマンド乗合交通、レンタサイクルなどの交通機関を検索、予約、決済し、目的地までのシームレスに移動できるサービスを提供する。日英2カ国語に対応するIzukoは、鉄道や路線バスの経路検索や、AIオンデマンド乗合交通、レンタサイクルとレンタカーなどの予約、鉄道・バスの乗り放題デジタルフリーパスや観光施設入場券、観光地のデジタルマップや施設割引などの機能を備える。
AIオンデマンド乗合交通では、下田「旧市街」で地元タクシー会社と協働し、交通空白地帯を埋める新しい交通を試行する。乗客がスマホで行先を選んで配車し、運転手はAIが最適走行ルートを表示する。
点在する伊豆エリアの観光拠点間のシームレスな移動実現による周遊促進と地域活性化や、IoT活用による交通・観光事業などの最適化、キャッシュレスや多言語対応といった観光拠点の抱える課題解決などを通じて、新たな顧客体験価値の提供などの効果が期待できるという。
MaaS(Mobility as a Service)とは、ICTを活用して交通をクラウド化し、マイカー以外の全ての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念のこと。利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索、利用し、運賃などの決済を行う例が多い。
2018年12月には、みちのりホールディングス、岩手県北自動車、エムティーアイが、バスで利用可能なMaaSアプリをリリースし、岩手県北バスが運行する仙台空港~松島・平泉・花巻線で無料提供を開始している事例もある。