企業・団体の契約書や稟議書など、各種ドキュメントをAIにて審査

さまざまな組織におけるバックヤード業務の効率化は、永遠の課題である。日本国内においては、慢性化する人手不足などにより、それは尚更深刻な経営課題となっていて、組織内で発生する各種重要ドキュメントの審査プロセスの効率化も迫られている。

たとえば、法務担当(契約審査担当)は、日々の契約書文面審査業務や問い合わせ対応にほとんどの時間を奪われている。戦略的に注力すべき創造的な契約コンサルティング、重要案件の審査、ビジネスモデル検討の取りまとめなどへの時間捻出が困難だという。NTT-ATは、AI(機械学習)および自然言語処理技術を活用した「自動ドキュメント審査システム」の実用化をめざし、契約書審査向けプロトタイプの試用を開始した。


企業や自治体における契約書やマニュアル、仕様書や稟議書など、各種ドキュメント類の審査を効率化する「自動ドキュメント審査システム」は、NTT研究所の技術とノウハウを基に、NTT-ATが20年以上にわたり研究開発を行ってきた自然言語処理技術と機械学習技術を組み合わせ、契約書などのドキュメント審査を効率化する支援システムとして試作したものだという。

NTT-ATでは、働き方改革と業務効率化に貢献する純国産RPAツール「WinActor®」を提供していて、これは幅広い分野の2,500社超に導入されている。そして今回、上記自動審査システムでは、社内利用と先行協力企業からのフィードバックをもとに、段階的に仕組みをブラッシュアップする。同社と同様にSI受託業務契約を多数抱える企業などへ無償トライアル機会を提供する予定。

今後は、定型業務の効率化に適したRPAと、最新のAI・日本語自然言語処理などの技術を活用することにより、契約書以外の非定型文書の解析・審査においても、AI化を積極的に進めたい企業とともにこのシステムを検討・検証し、さらなる効率化の実現に貢献していくという。