後続車無人システムを用いたトラック隊列走行に対応した自動車保険を開発

三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、後続車無人システムを用いたトラック隊列走行に対応した自動車保険を開発した。政府は、2020年に高速道路での後続車無人システムを技術的に実現させ、その後、実証実験を通じて走行距離や走行可能範囲の拡大を図ることを目指している。

近年、日本の物流業界では、物流量の増大に伴うドライバー不足への対応や、経営効率の改善、安全性の向上、省エネルギーの観点から、自動運転の活用に対する期待が高まっている。政府も、将来的な完全自動運転トラックの実用化を目指し、現在、高速道路でのトラック隊列走行の実証実験を進めている。2019年1月から、後続車無人システムを用いた隊列走行の公道実証が、後続車有人状態で実施されている。


一方、後続車無人システムを用いた隊列走行では、電子連結技術を用いること、複数台のトラックが短車間距離で高速走行すること、後続車両が無人状態となることなどに伴い、従来にはない特有のリスクが発生。そこで、両社はこうしたリスクを補償する自動車保険を新たに開発した。

この商品では、万が一の事故に備えるべく、「自動走行不能な場合の運転者派遣費用等」と「物損を伴わない道路通行不能損害」を新たに補償する。また、トラック隊列走行時に、他の車両との衝突や隊列を構成する車両同士の衝突により事故が発生した場合、従来の自動車保険で補償可能。万が一通信障害により電子連結が途切れて事故となり、隊列車両の乗員や所有者などに法律上の責任が無い場合でも、自動車保険の「不正アクセス・車両の欠陥等による事故の被害者救済費用特約」で補償可能にしている。

自動運転技術は、交通事故の減少、渋滞の解消、高齢者の移動支援などにつながることが期待されている。当該技術の開発・普及に向けて、官民の動きが活発化している。

両社では、これまで業界に先駆けて「自動走行実証実験総合補償プラン」の販売を開始するなど、自動運転の社会実装をサポートできるよう、新たな商品・サービスを開発・提供してきた。今後も、物流業界のさらなる発展に貢献していくとともに、自動運転の社会実装を保険・サービスの両面から支援していく考え。