貨物輸送にかかるドライバーの負担とCO2排出量を大幅に削減

産業および社会を動かす、物流を取り巻く環境は近ごろ厳しい。少子高齢化などによる労働力不足が深刻化する一方、荷主及び消費者ニーズの高度化や多様化に直面していて、輸送のしくみや流通業務の見直しが必須となっている。

そのため国土交通省では、流通業務の総合化および効率化の促進に関する法律――輸送、保管、荷さばき、流通加工を一体的に実施するとともに、「輸送網の集約」、「モーダルシフト」、「輸配送の共同化」など輸送の合理化により、流通業務の効率化を図る事業に対する計画の認定や、支援措置等を定めた『物流総合効率化法』のもと、2者以上の連携による環境負荷の低減を図るための取り組みをも支援している。


モーダルシフトでは、フェリー事業者やRORO船、コンテナ船事業者が参加する「エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会」において、海上貨物輸送を重量で30%以上利用したり、二酸化炭素排出量を15%以上削減したりした者への顕彰を行っている。そこで1月25日、佐川急便、商船三井フェリー、大東実業の3社は、共同実施した「海上輸送を活用したモーダルシフト」にて上記法律に基づき、国交省より「総合効率化計画」認定を受けたと発表した。

佐川急便ではこの認定が7事例目となり、商船三井フェリーおよび大東実業は初の認定になるという。「関東⇒九州の宅配便幹線輸送のRORO船を活用したモーダルシフト」では、これまで佐川急便における関東⇒九州の幹線輸送が主にトラックによるものであったところ、トラックより容積の大きいトレーラーへの転換による輸送効率の向上を図りつつ、同区間における幹線輸送の一部を海上輸送へ転換した。

今回、全行程トラック輸送との比較でCO2排出量を約52%削減し、トラックドライバーの労働時間を約90%削減したという。3社は、これからもさまざまな取り組みを実施することで省人化の実現や、環境負荷低減に貢献していく構えだ。