AI活用系のPRプラットフォーム、書籍購入を起点に

AI活用系のPRプラットフォーム、書籍購入を起点に


近ごろの状況は総務省ウェブサイトで確認できる。主にスマホが台頭している中、Web広告の手法も多様化していて、広告主は生活者の顕在化している需要に加えて潜在的な需要を把握し、ターゲティング広告の精度を高めたいとのニーズを抱えているという。大日本印刷(DNP)は、昨年末に結んだソネット・メディア・ネットワークス(SMN)とのパートナー契約に基づき、DNP独自の広告配信プラットフォーム(DSP)提供を始める。

同契約はSMNのDSP「Logicad」の広告枠買付・運用に関するものであり、今回、DNPは同社グループの丸善ジュンク堂書店、ハイブリッド型総合書店hontoの通販ストアが保有する書籍分類、書誌データなどを活用したDSPの提供を1月21日より開始する。

書籍購入を起点とする行動データから導き出された生活者の興味・関心データと、ビッグデータ処理技術やAI(人工知能)を掛け合わせることで、潜在的な生活者の需要と商品を高精度にマッチングする広告配信サービスを提供する。hontoストア内のWebアクセスデータをSMNのAI「VALIS‐Engine」で分析し、たとえば語学関連書籍の閲覧者へ、旅行商品やMBAスクールなどの広告を届けるという。

広告の自動取引(リアルタイムビッディング)では、膨大な取引情報を即座に処理して応札する必要があり、一般的には0.1秒/件の処理速度であるのに対して、DNPのDSP基盤となる「Logicad」は約0.003秒――処理遅延による広告出稿機会ロスを抑制するほか、広告案件ごとに最適価格を瞬時に判断し大量の入札リクエストに応札可能だという。