重症1型糖尿病に対する革新的な治療法の確立を目指して

第一三共、三菱UFJキャピタル、東京工業大学は、iPS細胞からインスリン産生細胞を作製し、再生医療・細胞治療への活用を目指すオープンイノベーション研究を開始することを発表した。


研究グループでは、東京工業大学 生命理工学院の粂(くめ)・白木研究室が開発したヒトiPS細胞から膵β(すいベータ)細胞(インスリンを分泌する膵臓にある細胞)を高率に作製する方法と第一三共の技術を融合させることで、生体内の膵β細胞に近いiPS細胞由来インスリン産生細胞が作製可能であることを見出した。

この研究ではiPS細胞由来のインスリン産生細胞のさらなる性能の向上と作製法の改良を行い、従来のインスリン治療では血糖コントロールが困難でアンメットメディカルニーズが高い、重症1型糖尿病に対する革新的な治療法として、実用化に向けた検討を進める。

研究を行うために新会社であるOiDE BetaRevive(オイデ ベータリバイブ)を設立し、三菱UFJキャピタルが運営するOiDE ファンド投資事業有限責任組合から共同研究等に必要な資金を全額出資する。

3年間の共同研究で目標達成した場合には、第一三共はBetaReviveの株式を全て買い取り、第一三共が自らのプロジェクトとして研究開発を進め、東京工業大学に対しては、販売後のロイヤリティを対価として支払う。

本件はOiDEファンド出資の第4号案件であり、今後も、第一三共と三菱UFJキャピタルはOiDEファンドを活用した新規創薬基盤技術を育成するオープンイノベーション活動を引き続き進めていく計画だ。