村田製作所は、過酷な環境下で高精度なセンシングを実現する3軸傾斜センサー「SCL3300シリーズ」を開発した。自動車の高機能化・電装化により、車載向け電子部品に要求される性能が高度化していく見込みであり、そのニーズに対応する製品を開発したという。
昨今、電装化が進む自動車においてオートレベリング用途として、ヘッドライトの照射軸を自動車の傾きによって調節する機能など、従来の傾斜検知以外の用途での3軸傾斜センサのニーズが高まっている。さらに、IoT（モノのインターネット）技術の進展により、橋梁や高架道、トンネルなどの老朽化するインフラの維持管理においても、3軸傾斜センサーを用いることで各構造物を長期間安定的に遠隔モニタリングするニーズが高まっている。
同社のSCL3300シリーズは、自動車業界などでの採用実績を持つMurata Electronics OyのMEMS技術の活用により、小型かつ省電力で高精度な3軸検知を実現した製品として開発された。
マイナス40℃から125℃まで過酷な温度環境下で高精度なセンシングを実現し、業界最高クラスの高分解能を実現しながらも超低レベルのノイズに抑えているという。また、センサー素子とASICをパッケージングすることで各軸の加速度から実角度をスムーズに算出する。さらに、デジタルSPIインタフェースによりアナログ―デジタルコンバータ（ADC）の設計が不要。4つの測定モードを搭載している。
既にサンプル出荷を既に開始しており、量産出荷は2019年春ごろを見込んでいる。