藤沢・鎌倉あたりで観光、経済活性化もキャッシュレスにて

2018年は日本のキャッシュレス決済元年だった。4月に経産省が「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、7月には同省を軸に産官学連携の「キャッシュレス推進協議会」が立ち上がった。ほかにも市民生活の中に、スマホ決済や電子マネー利用の急速な拡大などが見られた。


'25年までにキャッシュレス決済比率を40%まで高め、将来的には80%のキャッシュレス化を目指す「キャッシュレス・ビジョン」(PDF)は、東京オリンピック・パラリンピック開催年に訪日外国客数4,000万人の達成を掲げる政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」(PDF)とも密接であり、同決済比率達成の暁には日本で暮らす人々も多くの恩恵をこうむるだろう――。

増加する外国人観光客への受入環境整備や店舗業務の省力化等につながるキャッシュレス推進は国を挙げた取り組みとなっていて、各地域においても重要な取り組み課題のひとつとなっているという。藤沢商工会議所、鎌倉商工会議所、ネットスターズ社、NTT東日本の4者は、日本初となる「キャッシュレスシティ実現に向けた取り組み協定」を12月21日に締結する。

外国人観光客のみならず日本の国内旅行客らにも人気の藤沢・鎌倉エリアにおいて、国内外観光客の受入環境整備や店舗・施設の生産性向上等を通じた観光振興および地域経済の活性化を目的に、同エリア内の店舗・施設にキャッシュレス決済サービスやWi-Fi等のICT(情報通信技術)インフラの導入を推進する。これにより、「キャッシュレスシティ」の実現を各社が連携して図っていくという。

今回の取り組みでは、QRコード、クレジットカード、電子マネーによる決済サービスを特別条件で両商工会議所会員らに提供。「藤沢・鎌倉キャッシュレスシティ」の広報活動、希望会員向けにキャッシュレス決済専用端末や、キャッシュレスサービス導入に要する光回線など通信インフラの提供も行っていくという。