北陸電力は、2019年1月から同社社宅(富山市奥井町)において、電気自動車、蓄電池、太陽光発電を設置し、EMS(エネルギーマネジメントシステム)を用いて、電力の使用状況を把握しつつ、各機器を最適に制御する実証試験を実施する。
再生可能エネルギーの導入拡大により、一般家庭にも太陽光発電が普及している中、電気を貯めて取り出すことが可能なV2H(Vehicle to Home)機器を併設した電気自動車や蓄電池の普及が始まりつつある。さらに今後は、一世帯当たりの自動車保有台数が多い北陸地域においては、家庭に複数の電気自動車が導入されることが想定される。
そのような状況を見据え、実証試験では3台の電気自動車、蓄電池および太陽光発電を一戸の家庭の電気系統に設置し、EMSを用いて、太陽光発電の状況や家庭の電力使用状況を把握しつつ、電気自動車および蓄電池の充放電やエコキュートの稼働を北陸電力が遠隔で制御することで、ユーザーが意識することなく、電気を最適に利用可能にする技術・ノウハウを確立することを目的に試験を行う。
また、災害等による停電に備え、停電時には、電気自動車や蓄電池、太陽光発電から給電することで、継続して電気の利用が可能となる技術・ノウハウを確立する。さらに、電気自動車導入への対応として、世帯の契約電力の上昇を抑制することが可能な技術・ノウハウを確立し、カーシェアすることで電気自動車の利用頻度を向上させつつ、稼働状況に応じて必要な充電・放電量やタイミングを把握。あわせて、実証でのカーシェア利用者に対するニーズ調査を実施する。