あらゆるモノと車両間でセルラー通信、V2Xが国内でも実用化へ!

インターネットにあらゆるモノがつながる。IoT技術は昨今、さまざまな産業や社会インフラ、医療分野などでも活用が進んでいる。近未来のコネクテッドカー(つながる車)、そして自動運転車両とそのインフラにおいても、標準化された無線通信技術は必須であり、非常に重要な役割を果たす。


移動体のブロードバンド通信分野で国際標準化を進めている団体3GPPは、安全運転支援への適用を想定して、Release14で車両とあらゆるものをつなぐ通信技術を規格化。この取り組みによる「セルラーV2X」は、車同士(V2V)、交通インフラと車間(V2I)、歩行者と車間(V2P)の直接通信と、車から基地局を経由して行う通信(V2N)で構成されているという。

OKIは、コンチネンタル、エリクソン、日産、NTTドコモ、クアルコムと共同で、時速110kmでの走行時や、車両間に遮蔽物が存在するケースなど多様な走行環境において、日本国内初となるセルラーV2Xの実証実験に成功した(共同実験報告書PDF)。

基地局を介さない「直接通信技術」では見通し環境で遅延の中央値20ミリ秒、最大伝送距離1.2kmを達成し、「LTE-A」を用いた車と基地局間通信では中央値50ミリ秒の遅延で伝送できた。さらにV2V、V2I、V2P「直接通信技術」と「LTE-A」経由の通信特性評価では、追い越し禁止警告、急ブレーキ警告、ハザード警告、交差点通過アシスト、歩行者警告の5ケースについて、複数テストコースと実験場所にて規格の通信性能を確認した。

OKIは交通インフラとなる路側機を構築し、「直接通信技術」を提供してV2Iによる各種アプリケーションの適用可能性を検証したという。今回の実験結果から、セルラーV2Xには、緊急性を要する通信に適した「直接通信技術」と、広域での情報収集と配信に適した「LTE-A」を用いた通信とで互いの特性の補完が期待できるという。