電力スマートメーターでガスや水道の使用量も収集・管理

地球温暖化を防ぎ、生物の多様性を確保しつつ人間社会の持続可能性も追求する。それは某大統領を除くすべての地球人の目標でもある。近年大きな自然災害に見舞われることが増えた日本においては、低炭素かつスマートな社会を実現するための様々な取り組みが始まっている。


太陽光や風力水力、バイオマスといった再生可能エネルギーはもとより、AI(人工知能)や先進的ICT(情報通信技術)、ロボティクスやドローン技術を活用して、超高齢化時代をゆくこの国で「超スマート社会」(Society5.0:政府広報Webサイト)を築く――。計画は官民の協力があってこそ実行できる。

今月12日、浜松市、中部電力、中部ガス・ガステックサービス、および三菱商事は、電力スマートメーター通信システムを活用した電力・水道・ガス使用量データの遠隔収集に関する実証実験を浜松市内で開始する。市では「エネルギービジョン」の下、不安のない強靱で低炭素な「浜松版スマートシティ」の実現を目指していて、ICTを活用したスマート化は、エネルギー分野のみならず、広く市民生活の中でのイノベーションにつながることが大いに期待されるという。

今回、来年2月まで行う同実験では、スマート事業の取り組みの根幹となる地域内の電力・水道・ガスの使用量データの収集に関して、低コストかつ効率的な通信ネットワークの構築の実現を目的に、市内の戸建住宅5戸に設置された電力・水道・都市ガス・LPガスの各メーターのデータ等を一元的に収集・管理するデータ収集システムの構築・検証を行う。

項目は、「水道・ガスメーターと電力スマートメーター間の電波伝搬検証」「電力・水道・ガスを組み合わせた新たなデータ利活用検討」「水道・ガス事業体における検針業務への適合検討」の3つ。さらに、収集されたデータを用いて、より快適で便利な市民生活に寄与するデータ利活用・サービス提供の検討も進めていく構えだ。