タイムライントーク形式で精密加工装置を制御、ディスコが開発

半導体製造装置メーカーであるディスコは、スマートフォンやPCなどの端末で、複数の精密加工装置を監視・制御できるシステムを開発した。複数の精密加工装置を、スマートフォンやPCなどの端末から"タイムライントーク形式"で監視・制御する。


このシステムは、複数台の装置を同一ネットワーク上に配置し、端末からWi-Fiなどを通じて接続することで、従来は装置モニタで個別に行っていた監視・制御を、手元で一括して行える。端末から装置にメッセージを送ると、その内容に対する返信が各装置から届く。また、装置の運転開始/終了時やエラーなどが発生したタイミングで、装置側からメッセージを受け取ることもできる。「稼働状況」「ブレード品種・摩耗量」「エラー発生」など、装置モニタ上で行う監視・制御を手元で対応でき、やりとりの履歴は時系列で表示される。

従来、オペレータが各装置のモニタで個別に行っていた監視・制御を、一括して、かつ装置から離れた場所においても実施できるため、ダウンタイムの削減が期待できる。例えば、ある装置のウェーハカセット交換と別装置のブレード交換タイミングを知らせるメッセージが端末に届いた場合、交換用のカセットとブレードをまとめて現場に持参することで、ダウンタイムを削減できる。

また、半導体製造装置が設置されているクリーンルームの外側からの監視・制御が可能。そのため、防塵服への着替えやエアシャワーの通過など、クリーンルームに出入りするオペレータに都度発生する時間を抑制できる。

さらに、Webブラウザを使用しているシステムのため、既存のインターネット環境が活用できる。専用アプリケーションやソフトのインストールは不要。そのため、別用途で使用中のスマートフォンやタブレット、PCなどを兼用できる。加えて、複数の端末で同一装置グループを監視・制御できるため、オペレータ間の端末の受け渡しも不要となる。