デロイトがテクノロジー・メディア・通信業界のグローバルトレンドを予測

デロイトトーマツが、テクノロジーの最新動向とビジネスへの影響を予測する『TMT Predictions 2019』を発表。スマートスピーカーや5Gネットワーク、クラウドベースAIの普及によりコネクティビティが向上し、イノベーションが加速すると予測


デロイトがTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界におけるグローバルトレンドを予測し、発表するレポート『TMT Predictions』の2019年版を発行した。このレポートは、デロイトが2001年から毎年発表しているもので、デロイトのエキスパートによる独自調査やインダストリーリーダーとの対話より得られた情報などをもとに、翌年のテクノロジーの最新動向と、それらがビジネスに与える影響を予測している。

2019年4月に発行を予定している同レポートの日本版では、デロイト トーマツ グループのエキスパートによる知見や分析を「日本の視点」として本文に付加し、独自の観点で日本における動向や企業を取り巻く状況を考察している。

デロイトでは、コネクテッドデバイスのうちスマートスピーカーがもっとも急速に成長すると予測。また、企業のAI活用の推進・発展によりクラウドベースの人工知能技術が社会全体にさらなる変革を起こすほか、5Gの本格導入により通信速度が加速し、通信事業者には新たな事業機会が訪れるとみている。

スマートスピーカーの販売は好調が続き、2019年は1台当たり平均43ドルの価格で販売台数1.64億台を超え、業界の総収益が前年比63%増の70億ドルに達すると推計される。しかし、スマートスピーカー市場の成長性を最大化するためには、さらに乗り越えるべき課題があると指摘。音声認識の技術は進化しているものの、グローバル規模での普及を見据えた場合には、さらに幅広い言語サポートなどの技術開発が必要だと考えられるという。

デロイトは、2019年にAIを活用している企業のうち7割がクラウドベースソフトを通じてAIを実装できるようになり、65%がクラウドベース開発サービスを通じてAIアプリケーションを開発すると想定している。2020年までにAIが組み込まれたソフトウェアサービスの普及率は87%まで上昇すると推計し、クラウドベースAI開発サービスについても83%まで増加すると予測している。

5Gネットワークに関しては、2019年も引き続き通信事業者による開発・導入投資が見込まれる。現在は72の事業者が5Gサービスの導入試験を行っているが、デロイトでは2019年には試験実施企業のうち25の通信事業者が5Gサービスの提供を開始し、2020年にはさらに倍増すると予測している。5G携帯電話端末の販売台数は総計で、2019年には100万台超、2020年までには1,500~2,000万台に伸びると推計。さらに5Gのモデムも2019年に100万台が販売されるとみている。