気象データにより高度なマーケティング、サプライチェーンの最適化も

気候の変動が人々の行動に及ぼす影響の強さは、かねてよりさまざまな基礎分析や定性的な見解の中で語られてきた。広告マーケティングにおいても気象が及ぼす影響は大きく、メディア接触履歴やその後の購買行動も含め、無視できない要因の1つに挙げられるという。


電通は、日本気象協会の気象データを活用し広告マーケティングの高度化を実現するフレームワーク「Weather Enhanced Marketing」の開発を開始する。冒頭に述べたような状況を踏まえ、同協会と連携し、気象要因をマーケティング活動に取り入れることで、さらに高度な広告マーケティングの実現を目指す――。

日本気象協会が保有する豊富な過去の気象データ、そのデータを用いた分析結果、最新の気象予測データなどとの連携により、「デジタル広告の配信素材を気象データに連動させて最適化」、「AIを用いた広告効果予測モデルに過去の気象データを投入し予測精度を向上」、「気象データを考慮し最適な広告投下タイミングを分析するプランニングツールの導入」といったソリューションを生みだしていく。

同社はまた、日本気象協会とともに市場における商品の需給バランスを予測し、既存サプライチェーンの最適化を促進する「CPFR」(Collaborative Planning, Forecasting and Replenishment:製配販協働による「商品の企画・販売計画」「需要予測」「在庫補充」)の実現を目指す。

CPFRの進展により、消費者は欲しいときに欲しいものを適正な需給バランスの中で購入できるようになり、サプライチェーンにおいては農業等生産品不作による品薄や価格高騰、商品の欠品による機会ロス、製造過多による在庫保持・廃棄コストの増加などを防ぐことが可能になるという。電通は、気象データと「People Driven Marketing」との連携も進めていく構えだ。