エネルギーIoT、クラウドサービスにて設備の異常予兆も検知

近年、地球温暖化や電力自由化への対策を背景に電力ビジネスは多様化している。電力設備やプラントの安定稼働や、電力の購入や販売における効率化の要望がますます強まっている。


それに加えて、再生可能エネルギーの普及拡大には、電力需給のバランス保つための発電出力予測の精緻化も必要だという。CTCは、再生エネなどの利用を管理するIoTクラウドサービス「E-PLSM」に、設備異常の予兆を検知する機能を追加。併せて風力・太陽光発電の出力予測の機能を強化して、11月30日から提供している。

E-PLSMは、発電設備やプラント、送配電設備等を監視するとともに、エネルギー利用を統合的に管理する――。データ収集・分析の基盤として米国OSIsoft社のIoTソフトウェアPI Systemを使用していて、CTCがエネルギー分野で培ったノウハウも結集し、'11年から提供されている。そして今回新たに追加した「設備の異常予兆の検知機能」では、発電設備の運転状態を示す、出力、温度、流量、圧力、電流、振動、品質などのデータをもとに、リアルタイムで設備状態を監視する。

米国ECG社の異常予兆検知ソフトウェア「Predict-It」を活用し、CTCが'16年に国内初の代理店となって以降、日本国内での豊富な実績も誇る、リアルタイム監視のしくみでは、機械学習ソフトが設備の正常な状態を学習し、異常の予兆を検知する。これによりユーザーは、故障の発生前に対応することができ、計画外の停止を低減することで設備の稼働率の向上につなげられる。

また、平成24年度「新エネルギー財団会長賞」を東北電力と受賞した発電出力予測の強化では、「短期予測」と「短時間予測」、双方の組み合わせも可能にしていて、ユーザーは電力市場における売買取引や出力の変動に影響する保全作業、電力系統の運用効率化や、送配電事業における数時間先の需給調整などに活用できるという。