現行LTEの100倍速く、2時間の映画がたった3秒でダウンロードできる。第5世代移動体通信システム(5G)は超低遅延、多数端末同時接続といった特長も備えていて、近未来のロボットや自動運転車両など、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」社会に必須のしくみとなる。
日本でもその実用化は間近だ。TOKYO2020をめどに、総務省では5G総合実証試験を進めている。また、来るべき5GやIoTの時代に向けて、実証実験を通してノウハウを蓄積し、5Gネットワーク展開時には商用環境下でも安定したサービスの実現をめざしているという、ソフトバンクは11月30日、5Gの実験機器や周辺機器、エッジコンピューティングを想定した高性能サーバー等を設置した屋内トライアル環境として、今年5月に開設した「5G×IoT Studio」のお台場ラボをリニューアルオープンした。
今回のリニューアルでは、5Gのネットワーク環境を、LTEとの連携が迅速にできるよう、4.5GHz帯から28GHz帯のノンスタンドアローン標準仕様にして再構築した。これにより、法人顧客は、5Gの技術検証はもちろんのこと、5Gと高性能サーバーを組み合わせたサービスやアプリケーションの検証などを実施できる。製造や建設、エンターテインメント、放送、小売など、業種別の5Gユースケースをイメージしたデモンストレーションを新たに用意したという。
たとえば放送業向けに、アルファコード社と構築したデモ環境では、京都の大江能楽堂で上演された「土蜘蛛」を実験用VRコンテンツとしてを制作。同コンテンツは4カ所の360度カメラで撮影した高精細な8K映像、立体音響技術、多視点切り替え配信によって、遠隔地からでも臨場感あふれる鑑賞が可能になっている。
法人パートナーとの各種取り組みに加えて、同ラボには、地域活性化などで使える可搬型設備「おでかけ5G」の試作機も展示されている。