インバータ制御に適した高性能32ビットマイコン、量産始まる

人工知能(AI)の活用が進む。産業機器や家電などに加え、ロボットもそれによって実用化が加速している。現在、それらの多くはモータを使っている。動作速度をマイコンおよびインバータ(逆変換器)で制御することが常識になっている。


産業用モータ、エアコン、洗濯機、パワーコンディショナ、ロボットなどのインバータ制御分野で、ルネサスは、32ビットCPUコア、RXの第3世代となる「RXv3」を搭載した第一弾製品として、同分野に適した「RX66T」グループを発売する。11月27日より、最も主流となる100ピンパッケージ、プログラムフラッシュ256KB/512KB、SRAM64KBメモリ品の量産出荷を開始し、順次提供を拡大していくという。

新製品は、産業・民生インバータ制御用に高い実績を誇るRX62T/RX63Tの後継品で、新たにRXv3コアを搭載したことにより演算性能は2.5倍に向上した。ノイズに強い5V対応のマイコンとしては業界トップクラスの160MHz動作時、928Coremarkの高性能を実現していて、より高精度なインバータ制御が可能となる。

最大4モータの同時制御ができ、小型産業ロボットやパーソナルロボットなど多軸モータ制御を要するアプリケーションにも最適。余裕の処理能力を利用して、「組み込みAI(e-AI)」によるモータ異常検知プログラムの追加も可能で、モータの電流や振動などからリアルタイムに異常を検知し、故障予測や故障場所の特定ができるため、この1チップで生産性や安全性、品質など付加価値の向上が実現する。

米国CAVP認証を取得した実績のある暗号エンジンやトラステッドセキュアIPを搭載し、製品出荷後のファームウェアアップデートや暗号通信を安全に実現するという。RX66Tによる新ソリューションは27日~29日、ドイツで開催のSPS IPC Drives 2018にて披露される。